日本で外資系カントリーマネージャー採用はなぜ難しいのか?
RYZEでは多くの外資系企業のカントリーマネジャー採用のサポートをしております。日本でカントリーマネージャーを採用するのが他国に比べて難しい理由には、さまざまな文化的、経済的、ビジネス環境の要因が関係しています。
日本でカントリーマネージャー採用が難しいのは、日本特有のビジネス文化など複数の要因が複雑に絡み合っているからです。特に、グローバルな視点を持ちながらも日本市場に適応できる人材を見つけることが最大の課題です。
この記事の内容
理由1. 日本のビジネス環境の独自性
理由2. バイリンガルおよびバイカルチュラル人材の不足
理由3. 外資系企業に対する抵抗感
理由4. 転職に対する慎重さ
理由5. 意思決定の遅さとリーダーシップスタイルの違い
理由6. グローバルと日本のビジネス文化の両立
理由1:日本のビジネス環境の独自性
日本のビジネス市場は他国と比べて非常に独特で、大きく異なります。例えば日本では商品やサービスについて消費者の品質についての高さが求められたり、日本独自の文化のために海外で成功している商品やサービスがそのまま受けいられないケースもあるため、独自のマーティングや販売戦略が求められることがあります。日本の市場動向や顧客ニーズ、また商習慣を的確に把握し、柔軟かる合理的な戦略スキルを持つ人材は非常に少なく、そのためカントリーマネジャーの採用が難しくなります。
理由2:バイリンガルおよびバイカルチュラル人材の不足
日本ではそもそも英語が話せる労働人口が先進国の中でも少ない方で、ビジネスレベルの英語が話せるビジネスパーソンの数は残念ながらとても少ないのが実情です。外資系企業のカントリーマネージャーとして成功するには、単に英語でコミュニケーションが取れるだけでなく、海外と日本のビジネス文化との両方を理解し橋渡し役を果たせる「バイカルチュラル(異なる文化を理解する)」な人材が求められます。このようなスキルを持つ人材は非常に稀であり、業界での実績と経験と共にさらにマネジメントスキルなど様々なスキルなども必要となるため、カントリーマネージャーに適切なビジネスパーソンは日本の労働市場にてかなり数が限られています。
理由3:外資系企業に対する抵抗感
日本では、依然として外資系企業に対する一定の抵抗感が存在します。多くの日本企業は伝統的に終身雇用や年功序列のシステムを採用しており、外資系企業のパフォーマンス重視の文化に対する適応が難しいと感じる人も多いです。また、外資系企業でのキャリアが長期的な安定を保証しないという認識もあり、優秀な人材が外資系企業のカントリーマネージャーとしてのポジションを敬遠することがあります。
理由4:転職に対する慎重さ
日本では依然として終身雇用や年功序列といった日本型雇用の文化的な名残があり、転職に対して慎重に人は諸外国と比較して多いです。特に中高年層の管理職にとっては、一度勤めた会社に長期間留まることが一般的です。そのため、優秀な人材が転職に前向きでない人や、転職そのものに対するリスク回避の姿勢が強い人も多数います。外資系企業がカントリーマネージャー候補を探す際に、カントリーマネージャーというチャレンジングな職務への転職には特に慎重になるビジネスパーソンも多く、スキルや経験よりも心理的なブロックにより候補となる人材は多くはありません。
理由5:意思決定の遅さとリーダーシップスタイルの違い
日本企業は一般的に集団での合意形成型の意思決定プロセスを重視しており、外国の外資系企業のトップダウン型の意思決定スタイルとはかなり異なります。日本市場での成功には、この日本式の合意形成を尊重しつつ、結果を出すことが求められます。しかし、外資系企業はしばしばスピードと成果を重視するため、日本人同士での合意形成と異なり、その両方での意思決定の方法を使いこなせるリーダーシップを持つ人材を見つけることは容易なことではありません。
また、取引先との関係でも、短期的な利益でなく長期的な信頼関係に重きを置く場合が多く、短期的に結果を求める外国企業との文化の違いなどもあります。
理由6:グローバルと日本のビジネス文化の両立
カントリーマネージャーには、グローバルな視点を持ちながらも、日本国内の市場や環境の中で経験と実績があることが求められます。この両方の視点をバランスよく持つ人材は非常に限られています。グローバル経験が豊富でも日本市場の理解が浅い場合、あるいは日本市場に精通していてもグローバル企業のマネジメント経験が不足している場合、その人材が適任とは言えません。
最後に
以上、様々な理由で外資系カントリーマネージャーの採用がいかに難しいかをご理解いただけたでしょうか。
要はふさわしい人材が日本ではものすごく希少なのです。ビジネスがグローバルする中、世界で戦える日本人ビジネスパーソンが増えることを願ってやみません。そんな中、RYZEでは多くの外資系企業のカントリーマネジャーなどの経営層や管理職などの採用をサポートしておりますので、人材が見つからないなど採用でお困りの場合には、ぜひお気軽にご相談ください。
もし、貴方に弊社のようなヘッドハンティング企業からカントリマージャー職の打診があった場合には、すぐ転職する気がなくても、どんな企業があなたを採用したいと思っているのか、キャリアップの一つのオプションを増やすための手段として話を聞いてみることをおすすめ致します。候補となる人の数が限られているため、年収に関しては現職より結構UPすることが多いです。大きな組織内で二番手三番手でいるよりも、小さな組織でトップでいることの方が責任と共に学ぶことも多く、多面的にステップアップできることがカントリーマネジャー職の醍醐味といえます。また、小規模の組織でもカントリーマネジャーとして業績を出すと、他の外資系企業からも次のカントリーマネジャーとして声がかかるので、キャリアが加速度的に進化していくのを我々は見てきました。大企業という大型船で一員を務めるよりも、小さな船の船長として大海原の旅に出る方が、学ぶことは多いですし、きっと冒険はよりエキサイティングなものになるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。